院試に落ちたときにしたこと

はじめに

そろそろ夏期の大学院入試の結果が出る頃でしょう。受かった人がいるということは落ちた人もいるということです。かくいう僕は2020年夏の大学院入試に落ちました。

大学院入試というのは大抵の人が受かるし、大学受験と違って浪人仲間がたくさんいるというわけでもありません。落ちた人は不安を和らげるべく「院試 落ちた」という感じでググって、いろんな記事を読むと思います。たぶん。

僕もやりましたし、先人の文章にずいぶん救われました。なのでこういった拙文を残そうかなと思い立ったわけです。

ちなみに結論から言うと、僕はその年度の冬の入試で合格をいただき進学しました。ここでは夏に落ちてからの話をします。

 

 

合格発表 (1日目)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で私の大学院入試は例年より数ヶ月遅れました。当然ながら合格発表もその分遅れ、それは11月初旬にやってきました。

不思議なもので受験番号が羅列されたPDFを開いた瞬間に自分の番号がないことがわかりました。本当に不思議なものだけれど。その後に何度も見直しましたがあるわけもなく、肩を落としながら数少ない友人や両親に報告をしました。

内部の学生だったので落ちるはずはないとたかを括っていた部分もあります。

友人の多くは大学院に受かっている(これは聞かなくても合格率を見ればわかる)、あるいは就職先が決まり内定式を済ませています。来春からの身の振り方が決まり卒論に打ち込んでいる人たちに不合格を報告するというのは、気を遣わせるし恥ずかしいしよくわからない感情だったのでごく一部の友人への報告で済ませました。

その後にダメ押しでもう一度PDFを見ますが結果は当然変わらず、仕方がないので次にやるべきことを考えます。

 

やること1. 親に会う (2日目)

私は親元を離れて学生生活を送っているので報告は簡単にLINEで済ませましたが、やはりパトロンには直接会って相談をしないとなと思いました。それに、このままワンルームのアパートに篭っていてもなにも変わらないという気持ちもありました。

実家がすぐに帰れる距離なのが幸いでした。

いくつか相談し、選択肢を整理しました。

  1. 現在の大学院の冬試験を受ける
  2. 別の大学院の冬試験を受ける
  3. 今から就活する(21卒)
  4. 既卒で就活する(22卒)
  5. 休学(留年)して翌年に就活する(22卒)
  6. 現在の大学で研究生になって、来年の夏に院試を受ける

これらの選択肢は実現性を検討する必要があります。実現不可能なことに突き進んでも仕方ないです。一方でこの混乱の中すぐに選択肢を絞るのは危ないことでもあります。自暴自棄にやりたくもない選択をするのは良くないです。とりあえずしばらくは全ての可能性を残しながら進めるしかありません。

そのためにここからは検討材料の収集に入ります。

 

やること2. 研究室の教授に相談する (3日目)

これも大切ですね。大学院に進学するということは、研究室を受けるのと同じようなものですし、受け入れてくれるはずだった教授に結果を報告するのは大切なことです。

ことの顛末を説明し相談したいという旨のメールを出した数日後にオンラインで話をしました。

 

まずは入試の内容のおさらい。私の試験内容は学科(線形代数解析学)と面接で、両方ともにつつがなく済んだというのが私の感覚です。この段階でも決定的な原因はわからなかった。

教授はこれまでに入試に落ちた学生の傾向としては学科試験の点数が低いことだという風に言われたので、おそらくそちらで失点が多かったのだろうという結論になりました。

大学の教授は試験結果を知っていて、それをこっそり学生に教えてくれるなんていう話を聞いたりしますが、少なくとも私の受けたところはそういうことはなかったです。

 

それから別の大学院でおすすめのところをいくつか紹介してもらいました。これはいい検討材料になったと思います。

あと、わざと単位を落として留年する人もいるがオススメはしないということも言われました。自分としてもそこそこ進んでいた卒業研究を放棄するのも嫌だったので留年はないなという感じでした。(言われるまで考えもしなかった。)

 

やること3. 就職エージェントの窓口に相談する (13日目)

世の中には就職活動をサポートしてくれるサービスを展開している会社があるので、その窓口に連絡してみました。結論から言うと彼らの主張は「はじめから既卒の就職を視野にいれるのはやめた方がいい」「冬の就活はおそくとも1月には面接の対策を立てないといけない」という二つでした。

まあこれから就職ってのも不可能ではないかと思いつつも、紹介される就職先はあまり行きたい業界でもなく困ったなという感じだったのを覚えています。

 

ここらへんから時間がないなという感覚がリアルになってきました。あまり考えないようにしていたのですが、全ての選択肢を残して就活も入試対策もして、そのうえ卒論も書くとなると相当大変なわけです。

 

やること4. 大学の就職課に相談する (19日目)

就職の可能性について検討材料があまりに少なかった(あるいは偏っていた)ので、就職課にも連絡しました。ご時世なのでオンライン相談のみで、予約がだいぶ埋まっており11月末になってしまいました。

相談する中でどうやら私の進学を諦め切れてない雰囲気を感じ取ったのか、就職課の方は大学院入試に向けて背中を押してくれました。

もちろん就職のことも教えてくださったのですが、なんだか人生相談みたいな感じだった気がする。

いろんな立場の意見を聞くことは大切ですね。

 

やること5. 別大学の教授に話を聞いてみる (20日目)

一度、大学院受験に失敗して完全に日和っていた僕は、仮に院進するとしても複数校を受けたいと思いました。簡単に言えば滑り止めという奴です。

とりあえず自分が既に知っていて興味のある他大学の先生にアポを取って研究室の紹介をしてもらいました。これは早い方がいいです。思い立ったらすぐにメールを出した方が良い。

 

いくつか連絡を取ったのですがどの先生も快いお返事をくださいました。大学の先生からしたらよくあることなのかもしれません。

ここで忘れてはいけないことは教授には教授の都合があると言うことです。研究室で受け入れられる学生数は限りがあるからホイホイと誰でも受けさせるわけにはいきませんし、「受験したけど入学しません」みたいな学生ばかりでは困ります。大学入試みたく数うちゃあたるみたいなことは現実的でないということです。(そもそも大学院進学はやりたい研究テーマがあってこそですし、厳選するうちに1つか2つくらいに絞られていくわけですが。)

なのでここでは遠慮することなく「滑り止めです」ということを伝えました。変に嘘をつくのも無意味ですし、どうせ大学院進学に再挑戦するなら夏に受けたところが第一志望でしたので。

 

ちなみに、出願締め切りや試験日をきちんと調べておいてください。他大学を受ける可能性が少しでもあるならすぐにやるべき。

 

実名は出しませんが最後に「良い選択をできるように努めてください」と言ってくださった先生がいて本当に救われる思いでした。世の中は優しい人がたくさんいるもんです。

 

 

選択肢を絞る (約1ヶ月)

ここらへんまでくるとだいぶ心が決まってきます。

よし!大学院に進学しよう!

 

理由は3つ。

  1. 21卒にしろ22卒にしろここから就活しても納得いく結果は得られないだろうと思った。
  2. 卒論がいい感じに進んでるのでそれを放棄して休学(あるいは留年)するのは不本意だった。
  3. 学部で得たものに満足しきっていなかったので、大学院に行きたい。

 

無理に就職なり休学なりしても履歴書的に空白がないということしか得られないのだったら、そういう選択は良くないだろうという感じですね。

 

冬の院試に向けて

夏に受けた大学(第一志望)の他に2つほど受けることにしました。(だいぶ日和ってる)

冬の院試の出願は12月中旬~1月中旬までが多いのでここから爆速で書類作成に入ります。

もちろん試験対策と卒論も並行するわけですので、大学生にはないような健康的な生活をしていました。

一番大変なのはここまででした。やるべきことは決まったので、ここから後はとにかくやるのみです。

 

やること6. 友達とご飯に行く (n日目)

ここまで慌ただしくいろいろしてきましたが、親しい人とご飯に行くことを忘れずに。

 

正直な話、大学院に落ちるのは精神的にあまり良くないです。

基本的にみんな通る試験に落ちたことで自己肯定感は下がるし、社会に出るのが目前の時期に将来設計が壊れたという事実は果てしない絶望を叩きつけてきます。

そんな心境でアパートの1室で1人で食べる夕飯の悲壮感たるやといった感じです。

 

なのでとにかく友達とご飯に行ってください。コロナで外食はしずらいかもしれないけれど、でも、自分の精神状態も同じくらい大事ですので。

 

自分はというと、ちょうどその頃は趣味の映像制作が佳境でして、好きなことやってたら気が紛れて気持ちは上向きなりました。

大学院に落ちた人のブログを読むのも一興です。こういうことがないときっと読まないので。

友人もみんな同情的ではなく、かと言って「がんばれ」とも言わないのでそれも非常に助かったなという感じです。

 

 

まあとにかく、いますぐ死ぬわけではないので、心の余裕を取り戻しつついろんな人の意見を聞いてみて決めるのが良いかなと。

ただ、時間には限りがあるのでスケジュールを立てることだけは早めにしたほうがいいです。

 

これを呼んでくださった方が、良い選択をできれば僕も嬉しいです。